アルツハイマー型認知症の新製品開発情報

2012年8月に米Eli Lilly社は抗βアミロイド抗体solanezumabについて初期と中等度のアルツハイマー患者を対象としたEXPEDITION試験(フェーズⅢ臨床試験)で、認知機能も身体機能も低下を抑止することができなかったと発表しました。
但し、二次解析で初期のアルツハイマー病患者では認知能力の低下を抑止できた結果も得られたとLily社は発表しています。
同社は今後、この抗体の臨床開発を継続するかどうかは未定としています。

また、その数週間前に米Johnson and Johnson社と米Pfizer社は、両社が開発していた抗βアミロイド抗体bapineuzumabも2つのフェーズⅢ臨床試験で認知機能の低下を抑止できず開発中断した旨を発表したばかりでした。

それ以来、アルツハイマー病の原因として提唱された「βアミロイド仮説」は行き詰まり感がありましたが、
2014年12月に入り、米国Biogen社がアルツハイマー病薬候補の有望なPhIb試験の結果が良好であったと発表しました。(BioToday2014-12-4ほか)
Biogen社ではそのPhIb試験の結果にもとづきPhⅢに進むことを検討しているようです。

なお、2014年3月5日に エーザイとBiogen社は、以下のような内容のニュースリリースを発表しています。(抜粋)

エーザイが開発している次世代アルツハイマー型認知症(AD)治療剤であるBACE 阻害剤 「E2609」、および抗アミロイドβ(Αβ)プロトフィブリル抗体「BAN2401」に関する、共同開発・共同販促契約を締結しましたので、お知らせします。
これらの開発品はAD患者様の脳に形成されたΑβ凝集体を減少させるとともに、新たな凝集体の形成を阻害し、ADにおける症状の改善および病態の進行を抑制することが期待されています。
 また本契約に伴い、エーザイはバイオジェンが開発しているAD治療剤である抗Αβ抗体BIIB037および抗 tau 抗体の共同開発・共同販促に係るオプション権を保有します。

バイオジェンのScangos社長は、「この提携は重度神経変性疾患の治療法の開発に注力する当社のミッションに合致したものです。
エーザイが開発している治療剤は、説得力をもった研究成果を示しており、当社のAD領域パイプラインを拡充し補完するものだと考えています。
エーザイはAD治療剤の開発とその販促に成功したパイオニアであることから、本提携を通じて、科学的資産の共有、また地理的な拡大が期待できるだけでなく、AD治療に対するゆるぎないコミットメントを取り入れることで、我々のミッションの遂行を促進できるものと確信しています。」と述べています。

BIIB037について
 BIIB037は、バイオジェン・アイデック社がNeurimmune社よりライセンスを受けて開発している抗Αβヒトモノクローナル抗体です。
BIIB037はAD患者の脳に形成された毒性の高いΑβ凝集体に結合し除去することで、病態の進行を抑制することが期待されています。

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