アガリクスの気になる安全性と効果

アガリクスは、地面から生え、柄が長くて太く、香りが強いキノコの一種です。現在では「アガリクス」という名称が一般的ですが、日本ではヒメマツタケ(別名:カワリハラタケ)として知られています。
1965年にブラジルより移入されて以来、人工栽培されるようになりましたが、菌株、栽培条件や産地により、その特性や含有成分が異なります。
一般に「抗がん効果がある」、「免疫力を高める」などといわれ、アガリクスと名のつく健康食品も数多くみられますが、ヒトでの有効性と安全性についてはエビデンスが明確でありません。


主な成分・性質
・他のキノコに比べて粗タンパク質が43%と多く、多糖類、ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、ビオチン、パントテン酸、葉酸、アミノ酸、ビタミンD、マグネシウム、カリウムなどを含みますが、成分含量は、菌株、栽培条件や産地によって異なります。
・ヒメマツタケ抽出物や市販アガリクス製品に含まれるβ-グルカン量は製品により差があります。
・ヒメマツタケ中のアガリチン含量は、乾燥重量で500-5,000 mg/kgと言われています。


免疫・がん・炎症
健常成人8名(平均22.3歳)を対象とした二重盲検クロスオーバー試験において、アガリクス(A.brasiliensis KA21)を3g/日、7日間摂取させたところ、摂取前と比較してK562細胞に対するNK活性が増加したという予備的な報告がありますが、対象が少人数で検定は摂取前後で実施しておりこの現象については、更なる検証が必要です。


糖尿病II型糖尿病に1年以上罹患しており、グリクラジドおよびメトホルミンを6ヶ月以上摂取している中国人60名(摂取群29名、対照群31名)を対象とした無作為化二重盲検試験において、1日1,500mgのアガリクス抽出物(含有成分は不明)を12週間摂取させたところ、摂取前と比較して空腹時の血清中HbA1c、インスリン濃度、インスリン抵抗性が低値を示し、血漿アディポネクチン濃度が上昇したという予備的な知見があります。


動物実験
・アガリクスの熱水抽出物をマウスに経口投与した場合、脾臓細胞中のThy1.2 (pan T cells)、L3T4 (CD4, helper T cells)およびLyt2 (CD8, cytotoxic T cells)陽性の細胞集団の割合が有意に増加したとの報告があります。
・マウスにおいて、double-grafted tumor systemを用い、アガリクス子実体の酸処理画分(ATF)で原発性腫瘍(primary tumor)を処理したところ、抗腫瘍活性の著しく上昇したNK細胞が、腫瘍部位へ浸潤した。また、ATFは、試験管内においてアポトーシス誘導によって腫瘍細胞の増殖を直接抑制したとの報告があります。
・一部のアガリクス製品には、カドミウムの含有量が高いものが見られましたが、自主的な基準等を持って対応がはかられています。
・腫瘍モデルマウス(n=10)にアガリクス(A. blasiliensis KA21)の冷水抽出物(2mg)を35日間経口投与したところ、腫瘍増殖の抑制、TNF-αの増加抑制、GOT上昇の抑制がみられたという予備的な報告があります。


相互作用
・in vitro試験において、ヒメマツタケによるCYP3A4阻害作用が報告されています。

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